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H a p p a n o U p d a t e s - No.190

■ ディスポ人間/Disposable People  第29章 プライドのみなもと  第30章 ガーネット  第31章 感謝をあいつは期待した、そのクソ神経、理解できるか?  エゼケル・アラン 著  だいこくかずえ 訳 -------------------------------------------------------------- http://www.happano.org/dispo-29

エゼケル・アランはジャマイカの作家。1970年生まれ。デビュー小説『Disposable People』で2013年度のコモンウェルス新人文学賞(カリビアン地区)を受賞。職業はビジネス・コンサルタント。

前回は主人公ケニーの「憎しみ」でしたが、今回はプライドについて。ケニーの住んでいた「クソ沈下地区」の男の子たちにとって、唯一プライドと呼べるもの、あるいはプライドを計るものさし、それはちんちんでした。「トミー、5.3インチ。ブライアン、6.2。トニー、6.5。ビリー、6.8。…」のように授かったものの査定は、年長の男子によってインチでなされていた、とあります。その後ケニーは、素晴らしい女の子と大学で知り合い、願いがかない、本物のプライドというものを体験します。しかしそれは長く続かず、プライドを(皮膚一枚ではなく、心の内の深いところで)ズタズタにされる出来事が起きます。「黒」は「茶」とはまったく違う、それが原因でした。

ぼくの人生のごく初期は、ぼくらはみんな「黒」であると思っていたが、それはナンセンスだとすぐにわかった。そして徐々に、テリー・アンのパパは「茶色」だけれど、自分は黒だと理解するようになった。そして肌の色の濃さの違いだけでなく、銀行口座の額もテリー・アンのパパが茶色であることに貢献していた。また彼女のパパは自分が茶色として生きる方法を懸命に開拓してもいた。テリー・アンのパパは茶色っぽく笑う。(第29章 『プライドのみなもと』より)

happano journal 活動日誌 (1.26、2.9) http://happano.blogspot.jp/

01.26:野生と飼育のはざまで(2) 02.09:野生と飼育のはざまで(3)

今回も引き続き「野生と飼育のはざまで」のテーマで書きました。その中で現在、日本の動物園が取り組んでいる環境エンリッチメントと呼ばれるものにも触れています。動物園の環境エンリッチメントとは、そこで暮らす動物たちが少しでも日々幸福でいられるよう、様々な方法で環境を整えることを指します。たとえば「ヤクシカZOOプロジェクト」では、大牟田市動物園のライオンに、駆除の対象になった屋久島のヤクシカを(衛生管理の上で)まるごと与える試みをしています。それにより(カットした肉ではなく)野生にいるときに近い状態の餌をライオンは取ることができ、かじったり舐めたり骨まで食べたりして顎を鍛えながら、時間をかけて食べることになり、それが有効なエンリッチメントとなるそうです。

Web Press 葉っぱの坑夫/エディター大黒和恵/editor@happano.org

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