H a p p a n o U p d a t e s - No.187
■ ディスポ人間/Disposable People 第18章 パパについて 第19章 猫たち犬たちの秘密の暮らし エゼケル・アラン 著 だいこくかずえ 訳 -------------------------------------------------------------- http://www.happano.org/dispo-18
エゼケル・アランはジャマイカの作家。1970年生まれ。デビュー小説『Disposable People』で2013年度のコモンウェルス新人文学賞(カリビアン地区)を受賞。職業はビジネス・コンサルタント。
第18章「パパについて」より
追悼の言葉が読まれるのを聞くよりずっと前から、パパの人生は短いだけでなく、厳しいものだったと知っていた。まだ小さかった頃から、本能的に、パパの目の厳しさは、そこまでの道のりの過酷さの反映だと気づいていた。
ケニーが16歳のとき、父親は普通なら死なずにすむようなことで命を落とします。葬式の席で、ケニーは自分の知らなかった父の一面(異父兄弟がいたなど)を知り興奮します。そして自分を「息子」と呼ばなかった理由が、死によって永遠に葬られたことにがっかりします。まともな会話をかわすことのなかった人、父として、友として、人間としてさえよく知らなかった人、でも一つだけ、ケニーがその後30年にわたって大事にすることになる出来事がありました。それはケニーが10歳のときに書いた作文にまつわる思い出でした。
■ Elephant Stories:サンクチュアリに住むゾウたちの物語 第7回 Billie サーカス時代のチェーンを外させなかったビリー The Elephant Sanctuary in Tennessee(写真、video、テキスト提供) 葉っぱの坑夫(日本語テキスト) -------------------------------------------------------------- http://www.happano.org/billie
サンクチュアリとは動物の保護区や避難所を表す言葉です。Elephant Storiesは、テネシー州ホーヘンウォルドにあるアメリカ最大のゾウの保護区Elephant Sanctuaryで暮らすゾウたちの物語です。
1962年インドの森で生まれた雌のゾウ、ビリー。体高2メートル21センチ、好物はバナナ。今もサンクチュアリーの草原を歩く姿が、ライブ映像で捉えられています。ビリーは小さな頃、アメリカの動物商に売られ、23年間トレイラーに乗せらせて街から街へ、サーカスで芸をする暮らしをつづけました。その後、トレイナーに攻撃性を見せるようになり、サーカスを引退させられます。そうやって暮らしてきたビリーは、サンクチュアリーに来た当初、恐がりで、人間をそばに寄せつけないところがありました。しかし仲間のゾウたちと交流するようになり、徐々にサンクチュアリーでの暮らしを楽しむようになります。
<コラム> ハロウィーンの日のゾウたち http://www.happano.org/halloween
ゾウたちがハロウィーンのご馳走を楽しむ様子をたくさんの写真でお送りします。
今日のサンクチュアリ(ライブ映像のスナップショット) http://www.happano.org/19
施設内にあるライブカメラが捉えた映像を毎朝(現地は夕方)スナップしています。晩秋の夕暮れの中を歩くゾウたちの姿が捉えられています。
[連載を終えて] サンクチュアリーに住むゾウたちの物語、今回が最終回です。タラ、シシー、フローラ、ミスティ、ジェニーとシャーリー、ウィンキー、そしてビリーと8頭のゾウを紹介してきました。またコラムでは施設の紹介、サンクチュアリーを取り巻く人々(医療スタッフや外部ボランティア)のこと、海外の動物福祉関係の組織との連携についてなど、活動を理解する上で大切なことを補足として書きました。
Elephant Storiesを企画したのは、動物園やサーカスを引退したゾウたちが、アメリカでは余生を送る場をもっていることを伝えたかったことと、そこで暮らすゾウたちの日々の暮らしや個々のゾウの個性を学ぶことで、野生のゾウとは本来どのようなものかの一端に触れ、動物園などの人工環境で暮らすことのどこに問題があり、どのような障害が生じるのかを、知っていただこうと思ったからです。あたりまえですが、人間と同じように、生きていく上で、ゾウたちにも信頼できる仲間がいりますし、行動の選択ができる自由も必要です。人間の娯楽のために働く環境では、こういったことを満たすのは不可能なことです。サンクチュアリーが提供しているものが、自然環境においても、行動の選択肢においても、野生のゾウたちが手にしているもののごく一部だったとしても、活動が単なる人間の慰めとしてではなく、ある程度、実質的にゾウたちの幸福に寄与しているとわたしは信じています。(だいこくかずえ)
happano journal 活動日誌 (10.13、10.27) http://happano.blogspot.jp/
10.13:国際競争力ってなにを測るものなの? 10.27:人種と民族、その違いは?
人種と民族の違いについて、予てからの疑問を晴らそうと調べながら書きはじめたところ、予想もつかない場所に行き着いてしまいました。「人種」について日本の中で、一般的な知識(常識になっていること)がどのあたりにあるのか、はっきりとはわかりませんが、おそらく「人種」という概念自体が科学的見地からは成立しないことを理解している人は、それほど多くはないのではと思いました。
Web Press 葉っぱの坑夫/エディター大黒和恵/editor@happano.org
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