DISPOSABLE PEOPLE

​ディスポ人間

第35章

 さてと、今は日曜の夜だ、マイラブ、でもこのニッガは明日の朝起きて、サトウキビを収穫したり、綿やリンゴを摘んだりしなくていいんだ。祖先の人たちの尽力に感謝して、ぼくは遅くまで寝ていたり、おいしい朝ごはんを食べたり、どんな仕事にとりかかるか選べるんだ。
 さてと、ちょっとばかりぼくの心にあるあれこれを追い払ってもいいかな。
 まず最初に、どれだけ美しくて、どれだけからだの他の部分がセクシーだったとしても、つま先の長〜い女はぼくをイライラさせる。やつらは本当にぼくをビクつかせる。この物語とは特になんの関係もないけれど、いろんなことを打ち明ける中での、きみと分かち合おうと思った情報のひとつ。
 つづいて9.11以来、アメリカの空港のセキュリティは、神を忌み嫌うようになってしまった、ということについても恐れながら言っておきたい。
 最後に、ふさわしいと思われる場所が他にないことから、ここで質問をさせてほしい。なんで両親に従うことがああも難しい子がいるのか? きみにはわかるよね、マイラブ、聖書の中にこうあるから。

「子どもたちはあらゆることで、自分の両親に従う、神を喜ばせるために」
エフェソの信徒への手紙(6章1〜4節)

 聖書に書かれていることは、ぼくらを楽しませるためのものではない。信じるかどうかは別にして、書かれているのは神の言葉、あるいは神によって啓発された言葉ということで、はっきりしているのは次のこと。いかに道徳的に正しく生きるかについての、最高の手引きだということ。
 ぼくの心は疑問でいっぱいだ。2年前のあの2日間に起きたことについての疑問だ。最初の疑問は、無作為に選んだものだけど(どこかから始めなくてはならないからね)、これだ。なんでまたジョージーは聞く耳を持たず、親に従わなかったのか、ということ。
 ぼくがこの疑問からはじめるのは、ぼくには明らかな手引きが、ジョージーにどれくらいわかっていたのか、よくわからないからでもある。
 「火のそばで遊んではいけない」
 「火で遊んではいけない」
 「火の上にある鍋のそばで遊んではいけない」
 なんでジョージーはパパの言うことを聞こうとしなかったのか。ジョージーの何がいけなかったのか。なぜジョージーは人の言うことを聞こうとしないのか。ジョージーのパパは、火のそばで遊ばないよう注意した、と言った。ジョージーのママも、火のそばで遊ばないよう注意した。ジョージーのパパが言うには、ジョージーの姉さんも、ジョージーが火のそばで遊ばないよう注意した。なのに、ジョージーはきかなかった。あのジョージーのどこがそれほど変なのか。いったい何回、ストーブの上にある鍋はものすごく熱いと言われなければならなかったのか。いったい何回、鍋の中のココナツオイルはひどく熱いと言われなければならなかったのか。ジョージーの聞き取りに、いったいどんな問題があったのか。
 それからどんだけあちこちで、ジョージーは火傷するようなことをしでかしたか。パパの言うことを聞くようになるまでに、2度も火傷を負わなくてはならかったのだろうか。   
 最後の質問はささいなものだけど、重要なことだ。なんでまたジョージーは突然、パパのことを恐れることはないと思い、パパが家にいるときでさえ、好き勝手するようになったのか。