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DISPOSABLE PEOPLE

​ディスポ人間

第33章

 ぼくの葬式では、サイモンとガーファンクルの「ボクサー」を流してほしい。あとはどうにでも好きなようにしていい、ぼくは気にしない。
 死を迎えるにあたって、以下の決め事に従ってほしい(ことが成される前に、ぼくが充分に年老いて、弱っていることをよくよく確かめてからにしてほしいけれど)。

 ・自爆装置のボタンを押すこと
 ・車椅子にぼくをしっかり固定し、ひざには毛布をかけること
 ・目隠しをして、レッドヒルズ通りのどこかでやっているダンスホール大会に連れていくこと
 ・最新のダンスホール・ミュージックをかけるために、ストーン・ラブ・サウンドのシステムに金を払うこと(この出費を充分にまかなえるだけの資金がシティバンクのマネー・マーケット・アカウントにあるはずだ。詳細は遺言書を見てほしい)
 ・車椅子に乗せてダンスホールの中央にぼくを置き、ここ数年のジャマイカのダンスホール・クィーン・コンテストで1位から3位になったダンサー10人から15人で取り囲むこと(これについても払えるだけの資金が残されているはずだ)
 ・救急隊員を20キロ内に置かないこと
 ・ストーン・ラブのDJに「バティ・ライダー」か「プナニー・トゥー・スウィート」をかけさせること
 ・女の子たちを踊らせること
 ・ぼくの目隠しをはずすこと
 ・ぼくを手助けしに来ないこと
 ・ぼくを安らかに眠らせること

アーメン
 

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