ぼくのほらあな(表紙)

B6判変形・76頁
プリントオンデマンド
本体価格:¥500

MOYAYAMA ぼくのほらあな

<ロシア語ハイク日記>

 

著者:アレクセイ・V・アンドレイエフ、日本語訳:だいこくかずえ

 

23才のロシア人の男の子が、アメリカに住んでみてアメリカについてアメリカ人について感じたこと、好きな女の子への気持ち、旅をしたり絵を描いたりの日常、遠くはなれた故郷への想いなどを二年間にわたって綴りました。若者的クールなセンスとユーモアの感覚が光る、異文化体験ルポルタージュ的ハイク集。*ロシア語からの著者自身の英訳+日本語訳。俳文(散文と俳句の組み合せ)、センリュウ、タンカ、エッセイを含む。

 

「ぼくのほらあな」より:


ロシアの言い伝えでは、カッコウを見たり声を聞いたりしたら、きみがあと何年生きられるか、カッコウに聞くといいという。つまりカッコウっていう鳴き声を数えるのさ。

 

カッコウが一羽
無言で飛び去る
・・・それが答え?

 

a cuckoo
flying away: nothing to say,
or too much to say?

 

 

知り合いに会った。「あたし、国に帰るの」と言う。「いつ?」ぼくが聞く。「一ヶ月以内に。いえ、三週間と四日だわ」。彼女は東ドイツの人。

 

暖かかった三月に

突然の雪。今日
英語はしゃべりたくない

 

sudden snow
during warm March: today
I won’t speak English

 

 


二十四歳の誕生日
ブランコに すわって
風に ゆられてる

 

24th birthday:
sitting on the swing,
swinging with the wind

 


となりのテーブルの友だちが言う。「あのね、アメリカではね、家の中でかさを開いておくと不幸を呼ぶって言うのよ」。そいつのかさは、テーブルの下のきたない床に寝そべっている。「なわけない」とぼく。「雨を乾かすだけさ。雨ふりの国では百万回試されてるさ」

 

カフェの隅っこに
ぼくのロシア傘が
開いてる、濡れたまま

 

in the corner of the cafe -
my russian umbrella
open, still wet
 

2002年1月刊