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作品の翻訳について

葉っぱの坑夫ではこれまでも、南米やアフリカの新世代作家の作品を翻訳してきましたが、あまり日本で翻訳されていない地域の作品として、今回は旧東欧圏の文学に挑戦することにしました。旧東欧圏は半世紀近くソビエトの支配下にあり、文化的に不幸な時代が続きましたが、エストニアの作曲家アルヴォ・ペルトのように、世界で愛されるアーティストも生まれています。

 

文学においても優れた新しい世代の作家がいるだろうと探していたとき、メヒス・ヘインサーの作品に出会いました。日本で知られていない作家の作品をまとまった数、日本語に翻訳することは、エストニア文学紹介の第一段階として、意味あることではないかと信じています。

 

エストニア語の発音とカタカナ表記について。

ヘインサーの小説には、エストニアの街の名前、人の名前などエストニアの固有名詞がたくさん出できます。エストニア語の発音は非常に変わっているというわけではありませんが、他の外国語同様、カタカナにするときの書法は統一されているとは言い難く、たとえばdの発音は、[d] または [t]、gの音は[g] または [k]と選択肢があります。これはエストニア人が「ダ」と「タ」の区別をしていない(聞き取れない)といった事情と関係しています。

 

翻訳の際は、発音がはっきりしないときは、言語学上のルールを参照しながら、Google翻訳の音声ファイルも参考にしました。地名などで日本語化されたものが、間違いに見えた場合は採用しないこともあります。すべてを正しく表記できるかどうかわかりませんが、このような方針で進めることにしました。もし、発音と表記が違うのではないか、というご意見がありましたら、教えていただけるとありがたいです。(大黒和恵 editor at happano.orgまで)

 

Translators from Estonian to English in the Mehis Heinsaar's works: Adam Cullen, Tiina Randviir, Susan Wilson, and others.

Photo by Richard Walker(CC BY 2.0)

*エストニアについては訳者自身も知らないことが多く、勉強しながら翻訳作業を進めています。エストニアは言語的に複雑な歴史を経験しており、ロシア語だけでなく、ドイツ語の影響を受けていた時代もあります。これらのことについて、3月19日の「最近思ったこと、考えたこと」に記していますので、お読みいただければと思います。

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