Elephant Stories

サンクチュアリに住むゾウたちの物語

<コラム>

 

ゾウたちの健康管理と治療

動物園などの飼育環境にいるゾウたちは、手足に様々な問題をかかえていることがよくあります。それはゾウの足はもともと、草原や森を長い距離歩くようにつくられているからです。飼育施設では長時間、硬い床面(コンクリートやアスファルトなど)の上で立って過ごすため、骨、爪、軟部組織(腱、靭帯、脂肪などの骨以外の結合組織)に悪い影響が出やすくなります。

 

メスのアジアゾウ、フリーダがサンクチュアリに着いたとき、足の状態の痛ましさに世話係たちは息を飲みました。1966年生まれのフリーダは、幼い頃にアメリカに連れてこられたメスのアジアゾウで、2006年2月にそれまで働いていたクライド・ビーティ・コール・ブラザース・サーカスからサンクチュアリにやって来ました。サンクチュアリに着いて、広々とした敷地内を歩くことで改善が見られるゾウたちもいますが、フリーダのように障害が回復することなく、年齢とともに常態化してしまう者たちもいます。

 

獣医のミコタ医師は、フリーダの足の内部の疾患場所を特定するために、レントゲン写真を撮ることを勧めました。X線で患部周辺の写真を違う角度から何枚も撮ることにより、内部の詳細な状況を確認することができます。ミコタ医師は世話係と監督官との間で、ブレーンストーミングを行ないながら、必要な情報を得るための検査をしました。

スコット医師、獣医サービス・マネージャーのデブ、世話係ケリーが、フリーダの現在の足の状態を説明しています。

何方向からもの精密なレントゲン写真を撮るには、フリーダの足を動かさないようにしなければなりません。少なくとも撮る瞬間の1秒間は完全に静止している必要があります。フリーダは4本の足すべてに問題をかかえ、また足首が自由に動かないため、非常に困難な撮影となりました。足の状態を見たり、レントゲン写真を撮るために、保護フェンスの間から足を入れて固定できる特別な装置が、サンクチュアリの管理部によって用意されました。

 

世話係のブリアンナはこの治療について次のように話しています。「フリーダは優しいゾウで、治療にとても協力的でした。足を健康に保つため、わたしたちはフリーダにさまざまなケアや治療を施しますが、彼女は患者の見本になる優等生です。わたしたち世話係が足を調べたりケアしたりするのに、ちゃんと対応してくれます。ゾウたちがこのように積極的にケアや治療を受け入れ、協力してくれることはとても大切です。フリーダはQ 居住区(隔離エリア)で獣医から治療や爪の手入れ、リハビリを受けている間、特別の野菜の餌を与えられます。フリーダは進んで治療に協力し、治療がうまくいくよう最大の努力をしてくれます」

治療が必要なゾウに対して、エレファント・サンクチュアリでは獣医、世話係、マネージャー、管理部などが話し合い、最適で効果的な方法を選び、相互協力のもと健康管理に努めています。