H a p p a n o U p d a t e s - No.183
■ ディスポ人間/Disposable People 第1章 2.15 a.m. ー 私有財産 第2章 2.43 a.m. ー 更生用ムチ 第3章 3.17 a.m. ー 犯罪は報われない 第4章 4.21 a.m. ー 好戦家のマスターベーション エゼケル・アラン 著 だいこくかずえ 訳 -------------------------------------------------------------- http://www.happano.org/dispo-cover
エゼケル・アランはジャマイカの作家。1970年生まれ。デビュー小説『Disposable People』で2013年度のコモンウェルス新人文学賞(カリビアン地区)を受賞。職業はビジネス・コンサルタント。
今月から連載をスタートさせる『ディスポ人間』は、エゼケル・アランの自伝的長編小説。1970年代、80年代のジャマイカのスラムを舞台に、そこで生まれ育った主人公が同じ敷地内に住む親戚の面々、悪ガキ仲間たちとの出来事をリアルに辛辣にユーモアをもって語ります。スタイルとしては大人になったケニーが、当時の日記や詩、小説、民話、イラストなどを織りまぜて回想する手記風の仕立てになっています。著者とはメールで直接やりとりしていますが、おそらくほぼ全編がtrue storyであると思われます。描かれる現実の露骨さには息詰まる感じ。表紙にある「Ø」マークは、ケニーによれば「ケツの穴」を表しています。
■ Elephant Stories:サンクチュアリに住むゾウたちの物語 第4回 Misty 動物園から逃げ出したミスティ The Elephant Sanctuary in Tennessee(写真、video、テキスト提供) 葉っぱの坑夫(日本語テキスト) -------------------------------------------------------------- http://www.happano.org/misty
サンクチュアリとは動物の保護区や避難所を表す言葉です。Elephant Storiesは、テネシー州ホーヘンウォルドにあるアメリカ最大のゾウの保護区Elephant Sanctuaryで暮らすゾウたちの物語です。
ミスティは1963年インド生まれの雌のゾウ。アメリカにやって来て、サーカスやエレファント・ライド(ゾウの背に乗るアトラクション)で長年働いていました。そういった施設で何回か暴れたり逃げたりの問題を起こし、最終的にテネシーのサンクチュアリーで保護されることになりました。エンターテインメント産業で働いてきたゾウは、自分で何かを選択する経験が乏しく、ミスティもサンクチュアリー到着後しばらくは、敷地内を遠くまで散策することがなかったそうです。仲間のゾウたちや世話係の誘導で、だんだん遠出ができるようになりました。そういった話を聞くと、野生動物が飼育環境で暮らすことがどういうことかわかり気の毒になります。
<コラム> Q(隔離)エリア:結核菌をもつゾウたち 飼育環境にいたゾウは結核菌保持者が多く、サンクチュアリーではそうしたゾウを一定期間隔離エリアに居住させ、検査と治療を繰り返しています。
今日のサンクチュアリ(ライブ映像のスナップショット) 施設内にあるライブカメラが捉えた映像を毎朝(現地は夕方)スナップしています。日が長くなり、午後7時過ぎても明るいままです。
happano journal 活動日誌 (6.16、6.30) http://happano.blogspot.jp/
06.16:極貧地区に生まれ育った少年ケニーの物語 06.30:「知る」とはどんなこと?
今日から公開の『ディスポ人間』について、この小説とどのようにして出会ったか、翻訳公開にいたるまでの経緯などを記しています。30日の日誌では、最近気になっている「知る」とはどんな状態のことかについて書きました。
□ 葉っぱの坑夫からお知らせ 作品セレクションのページをリニューアルしました。旧サイトのコンテンツで、二つほどアクセスができなくなっているページがあったので、修正後セレクションページのリストに追加しました。佐藤かづみ『ほどいて、編んで:わたしの世界旅行7ヶ月21カ国』と大竹英洋『動物の森 1999 - 2001/Inhabitants of the North Woods』の二つです。未読の方はこの機会にお読みいただければ嬉しいです。 http://www.happano.org/archive
Web Press 葉っぱの坑夫/エディター大黒和恵/editor@happano.org
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