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ワニ戦争本の表紙

21 x 21 cm、46頁、ソフトカバー
POD絵本:¥1,320(税込価格)

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ワニ戦争 

 

原作:オラシオ・キローガ、絵:ミヤギユカリ、

訳:だいこくかずえ、デザイン:角谷慶

 

[この絵本について]
南アメリカにある、ワニの住むおおきな川で起きたお話です。岸辺には何びゃく匹ものワニたちが幸せに暮らしていました。そこにある日、「チャグ、チャグ、チャグ」「チャッシュ、チャッシュ、チャッシュ」「チャーッシュ、チャーッシュ、チャーッシュ」という奇妙な音とともに、やってきた者たちがいました。それがワニたちの不幸のはじまりでした。川からおいしい魚が1匹もいなくなってしまったからです。さてワニたちはどうやって、この困難(こんなん)を乗りこえればいいのか。戦いの日がはじまります。

ミヤギユカリが描きおろしたジャングルや水辺の風景、そしてワニたち、魚たち。繊細にして大胆、そしてユーモアあふれる描画に、角谷慶が目のさめるような配色とデザインで、さらなる楽しみの世界へと読者をみちびきます。

2018年11月出版

発行所:葉っぱの坑夫 www.happano.org
ISBN: 978-4-901274-49-4(PODカラー絵本)

[著者について]

オラシオ・キローガ(物語の作者):ウルグアイの詩人、作家。1878 - 1937年。ジャングル好きが高じて、アルゼンチンのパラナ川上流地域に農地を買い、家族とともに暮らしたと言われている。そのときの体験を小説や童話に書き表している。短編小説の名手と言われ、今もスペイン語圏のみならず英語圏でも人気がある。

ミヤギユカリ(絵の作者):東京在住のイラストレーター。広告、出版などの商業分野で活躍する一方で、内外のインディペンデントなアートプロジェクト、出版プロジェクトに参加して作品を発表している。主な作品集、出版物に『ambrosia』『シカ星:アメリカ・インディアンはうたう』、『AKAZUKIN』などがある。

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その川は南アメリカにある、とても大きくて、まだ白人たちが来たことのない川でした。そこにはたくさんのワニが住んでいました。100ぴき、いやもっと、1000びきはいたかもしれません。

2 -3ページ

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ワニたちは昼には川でつかまえた魚を食べ、夕べには水辺にやって来たシカなどを食べました。暑い夏のさかりには、岸辺でからだをのばし、ひなたぼっこをしました。でもワニたちが好きなのは、なんといっても月に照らされた夜でした。

4 - 5ページ

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次の日、船がやってきたとき、ワニたちはまだ眠っていました。船の音はやがて止みました。ブリッジで舵 (かじ)をとっていた男たちが、双眼鏡(そうがんきょう)を取り出して、川を横ぎる変な障害物(しょうがいぶつ)を調べはじめました。そしてもっと近くで見るために、小さなボートを送りだしました。

「おい、おまえら、ワニさんよ」
「なんかご用でしょうか?」

「このダムがじゃまなんだよ!」

「それがどうかしましたか?」

「通れないじゃないか!」

「そのとおり!」 

「いいか、このじゃまものをどけるんだ!」

「のーけーません!」

18 -19ページ

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「よおしわかった。いいかワニどもよく聞けよ! いうことをきかないなら、このダムも壊してやる。だがな、四つ目のダムをつくる面倒(めんどう)がないように、ここらへんのワニ全員を撃ち殺す」

32 -33ページ

ウェブ版ワニ戦争.png

[その他の制作者について]
だいこくかずえ(訳・文):葉っぱの坑夫のファウンディング・エディター、翻訳者。2000年4月、葉っぱの坑夫のサイトを、日米の協力者たち数人と始める。その後も随時、協力者を得ながらサイト運営や本づくりを続けている。

角谷慶(デザイン):デザインオフィス「Su-」代表。1980年生まれ。印刷会社を経て、2003年〜2014年までSKKY | iTohenに勤務。2015年にデザインオフィス「Su-」を兵庫県芦屋川に開設。紙媒体やウェブデザインの仕事で活動中。

『ワニ戦争』ウェブ版(2015年 - 2016年連載)

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