156 × 234mm、228頁
ペーパーバック:¥1,980(税込)
Kindle版 ¥500/現在Unlimitedで読み放題中
2023年8月、葉っぱの坑夫から発売
もくじ
I. ボレロ
II. バスク海岸の子ども時代
III. ラヴェルの時代のパリ国立高等音楽院
IV. ラヴェル、作曲をはじめる
V. ガブリエル・フォーレ、人物とラヴェルへの影響
VI. 失敗、そして成功
VII. アパッシュ
VIII.ドビュッシーの音楽、ラヴェルの音楽
IX.『博物誌』
X. スペインへのあこがれ
XI. マ・メール・ロワ
XII. ダフニスとクロエ
XIII. バレエ作品実りの年
XIV. ラヴェル参戦
XV.『子どもと魔法』
XVI. モンフォール=ラモーリーの家
XVII. アメリカ・ツアー
XVIII. 最後の作品
XIX. 後悔なし
XX. 終曲
謝辞 (マデリーン・ゴス)
著者マデリーン・ゴスについて
QRコードによる参照の動画、写真について
モーリス・ラヴェルの生と死
マデリーン・ゴス著
だいこくかずえ訳
フランスの偉大な作曲家、そして今も多くの演奏家から愛され、楽曲が選ばれ、演奏機会の多いモーリス・ラヴェル。これまでにもいくつかのラヴェルの評伝や解説書はありました。マデリーン・ゴスによるこの評伝が他のものと少し違うとしたら、著者はラヴェルと同時代を生きた人で、ラヴェルの死が起きたとき、パリに滞在していてそのニュースを聞いたことでしょうか。
ラヴェルの死の数日前、著者はパリで交通事故にあい、息子のアランを失い、自身も怪我を負っています。それでこの本は、息子のアランに捧げられています。
アメリカ人である著者は、当時、息子(19歳)とパリに滞在していました。息子を失い、ラヴェルの死を知った著者は、評伝を書くことを思いつきます。評伝は英語で書かれました。
著者はパリにいたことから、ラヴェルの身近な人々に直接会って話を聞き、この本を執筆しています。ラヴェルの弟のエドゥワール、幼なじみで一番の親友だったピアニストのリカルド・ビニェス、晩年親しくしていたバイオリン奏者のエレーヌ・ジュルダン=モランジュ、死の直前までラヴェルの身のまわりの世話をしていたハウスキーパーのレブロー夫人など、多くの人々が振り返って話すラヴェルの思い出やエピソードが、この評伝の核になっています。
著者はドイツで音楽を勉強したことがあり、ラヴェルの楽曲を多数取り上げて解析もしています。日本語版では、ラヴェルの作品を聴きながら読んでいただけるよう、たくさんの演奏動画を参照として付けました。QRコードで簡単にアクセスできますので、心にとまった曲を聴いていただけたらと思います。
モーリス・ラヴェルの人物を知り、楽曲解説を読み、実際の演奏も体験して、この素晴らしい作曲家の全体像をつかんでいただけたら嬉しいです。
*『モーリス・ラヴェルの生と死』は2021年12月から2023年5月まで、20回にわたり葉っぱの坑夫のプロジェクト「モーリスとラヴェル」の中で、『モーリス・ラヴェルの生涯』のタイトルで連載公開したものです。オンデマンド印刷による紙版とKindle版の本を出版するにあたって、原稿の見直しをし、修正を加えました。
マデリーン・ゴス(著者)
アメリカの評伝作家。ベートーヴェン、ヨハン・セバスチャン・バッハ、シューベルト、ブラームスの評伝のほか、アメリカの現代音楽の作曲家37人の評伝集を出版している。
1892年3月1日、イリノイ州シカゴ生まれ。3歳のとき母親が死亡し、子ども時代をスイスで暮らす。後にアメリカに戻り、セント・メアリーズ・エピスコパル大学を卒業。ドイツのドレスデンで1年間、音楽を学ぶ。コールマン音楽協会、アリアンス・フランセーズなどアメリカの様々な団体で活動を指揮する。1960年のクリスマスの日、スイスのサンモリッツでスキー中事故にあい死亡(68歳)。
だいこくかずえ(翻訳)
非営利パブリッシャー、Web Press葉っぱの坑夫(2000年4月〜)の創設エディター、翻訳者。国内外の協力者、作家たちとプロジェクトを組み、ウェブ作品、紙の本、電子書籍を制作している。
冒頭のページ。この本ではラヴェルの子ども時代の写真など、画像もいくつか紹介しています。
参照の楽譜や演奏動画へのリンク(QRコード)も多数入っています。
選んだ演奏動画は、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団、フランクフルト放送交響楽団などの公式チャンネル、あるいはピアニストなど演奏家自身のチャンネルを主体に選びました。ユッセン兄弟による『マ・メール・ロワ』、アルゲリッチとフランス国立管弦楽団による『ピアノ協奏曲ト長調』、山田和樹、藤田真央のデュオによる珍しい『ラ・ヴァルス』のピアノデュオ版、パリ・コンセルヴァトワールの学生(BDE Cnsmdp)による歌曲など、聴きどころ満載です。有名な曲だけでなく、演奏頻度の少ないものもあえて入れてあります。
本文中に写真をいくつか入れてあります。それ以外に、QRコードによる写真ページ(サイト)へのリンクもあります。
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